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設立趣意書

「びんリユース推進全国協議会」設立趣意書

【1】設立の趣旨

(ガラスびんはリユースできる唯一の容器だが、その利用は減少傾向)

 ガラスびんは、現時点ではリユースできる唯一の容器であり、容器包装廃棄物の排出抑制、環境負荷低減、循環型社会形成のためにもガラスびんリユースの推進が望まれているところです。
 ガラスびんは品質保持性能に優れた容器であり、飲料・酒類・食品をはじめ、さまざまな用途で利用されており、従来、びんの大部分はリユースされていました。しかし、核家族化や女性の社会進出などのライフスタイルの変化、流通構造の変化、商品の多品種化などを始めとする社会システム全体の影響を受け、これまでリユースの優等生であった一升びんを始めとしたガラスびんリユース量は減少の一途をたどっております。
 この現状を踏まえ、平成22年度環境省において「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」が設置され、全国のびんリユースを維持し、再構築と拡大を目指す協議会の設立が発案されました。

(びんリユースは様々な主体が連携しないと成立しないシステム)

 現状では、ビールびん、一升びん、牛乳びんなど既存のリユースシステムが弱体化する一方、業務用市場や宅配市場などクローズドシステムによってびんリユースが存続している状況です。関係各者が様々な取組みを行っていますが、残念ながらその弱体化に歯止めがかかっているとはいえません。
 びんリユースシステムは、国、地方自治体、消費者、中味メーカー、販売店、さらにびん商、回収容器供給者(P箱)、ガラスびんメーカーなど、様々な主体が協力・連携しないと成立しません。現状のままでは、崩壊しかねないシステムであり、ひとたび崩壊するとその再生・復活には多大な時間と労力が必要となってしまいます。

(びんリユース拡大のための2つのキーワード)

 これまでにびんリユースの普及拡大に向けて、様々な調査研究・実証実験などが行われてきましたが、その結果を集約すると、「全国流通が可能な規格統一びんの普及」と「リユースの復権に向けた取り組み」がキーワードとなります。
 今まで一升びんやビールびん等の全国流通統一びんがあり、これらの流通量の維持を図るとともに、同様に流通できる新たな容器の開発も必要です。全国流通できるロットに至る過程として地域型リユースモデルを構築し、点から線、線から面へ拡大していくことが有効であります。
 また、その取り組みは、多くの方々が受け入れることが出来る着眼点と発想に基づくものでなければなりません。

(びんリユース連携のための協議会設立)

 びんリユース活動は、各地域がそれぞれ個別に取り組んでいくのではなく、情報を共有化の上、関係主体の連携を促進し、推進体制の強化を図りながら、10年20年先を見据えた取組みを推進していく必要があります。
 びんリユース活動を推進・支援していくため「びんリユース推進全国協議会(以下、協議会)」を設立いたします。協議会はリユース活動を推進するためのセンター機能の役割を担い、各地域での活動を具体的に支援するものであります。
 また、国・地方自治体・関係団体との窓口となりながら連携を促進し、「地産地消」「環境負荷低減」「循環型社会形成」「経済合理性」を柱とした新たな「リユースモデルの構築」と段階的拡大を目指します。
協議会では、びんリユース推進に向けて、様々な関係者と連携し、以下の取組を進めることとします。
  •  1)各地域で進められるびんリユース普及に向けた取組の支援、新規構築
  •  2)びんリユースの将来像の共有とその実現に向けた「中長期的なロードマップ」の作成
  •  3)びんリユースの普及に向けた、関係主体との連携促進、広報活動・情報発信の実施

【2】具体的事業の内容

※詳細な事業内容・計画は、各地域での取り組みや全体動向を踏まえつつ、定期的に運営委員会にて協議の上、見直していくこととします。

(1)リユースモデル構築の支援

全国流通できる規格統一リユースびんの普及を促進します。
「地産地消」、「環境負荷低減」、「循環型社会形成」「経済合理性」を柱とした新たな地域型リユースモデルの構築に向け、拠点地域の推進組織を支援し、関係主体との連携を促進します。この際、びんの種類・利用形態は問わず、各地域の実態に即したびんでのリユースを図ります。
南九州や郡山地域のように、すでに地域での連携が生まれつつあるシステムモデルについては、実現に向けた支援を行うとともに、その取組を評価・分析し、ベストプラクティスとして、他の地域への普及拡大のモデルとなっていただきます。

(2)地域におけるリユース活動の推進支援 及び 新たなリユース活動団体の発掘

各地でびんリユースを復活させたいと活動している人々を募集し「びんリユース普及委員(仮称)」として支援します。
「びんリユース普及委員(仮称)」は、基本的にはボランティアの活動とし、本協議会の支援方法としては、新規ボトラーの探索と交渉のための情報提供や、リユースびん商品の発売促進に関する情報提供、各主体の連携を進めるサポートなどを想定します。

(3)びんリユースの将来像とその実現に向けた「中長期的なロードマップ」の作成

びんリユースの将来像とその実現に向けた方策・目標などを整理する「びんリユース・ロードマップ(10年計画)(仮称)」を作成します。
また、Rマークびんについては、300ml・500mlは日本酒造組合中央会、720mlは日本リユースびん普及協会、900mlは南九州における900ml茶びんの統一リユースシステムモデル事業と、それぞれが推進主体となり別々に取り組んでいる実態があり、有機的な連携を図ることで、びんリユースの利用促進を目指します。
「ロードマップ」の作成にあたっては、本協議会を中心に、国・地方自治体・事業者・消費者や関係団体との連携を図り、幅広く共有できるものを目指します。

(4)びんリユースの普及に向けた関係主体との連携促進、広報や情報発信の実施

国・地方自治体・消費者・事業者や関係団体と連携強化を図り、広くびんリユースを普及させるため、各種広報活動や情報発信を行っていきます。
  • ・WEB「リターナブルびんナビ」を活用した活動紹介と情報発信
  • ・「びんリユースの日」の設定
  • ・「びんリユース」シンポジウムの開催

平成23年9月29日