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びんリユース シンポジウム2021開催

「びんリユースがつくる未来の可能性」

みんなで考える、びんリユースでつくるサステナブルな未来の可能性

 びんリユース活動を推進・支援している「びんリユース推進全国協議会」は、「びんリユースがつくる未来の可能性」をテーマに市民・行政・事業者などのステークホルダーが一堂に会して考えるシンポジウムを開催しました。

会場

開催日時 2022年3月17日(木) 13:00〜17:20
開催方式 会場での実地とオンラインとのハイブリッド開催
場 所 日本ガラス工業センター 地階会議室
主 催 びんリユース推進全国協議会

幹事団体
全国びん商連合会、ガラスびん3R促進協議会、日本ガラスびん協会
社会福祉法人きょうされん 、日本P箱レンタル協議会、びん再使用ネットワーク
中部リサイクル運動市民の会、Rびんプロジェクト
協 力 京都市ごみ減量推進会議、認定NPO法人環境市民、京都硝子壜問屋協同組合

開催内容

(1) 開会・主催挨拶
吉川 康彦
びんリユース推進全国協議会 副代表

(2) 基調講演
カーボンニュートラル社会への展望とびんリユースの可能性(仮題)
安井 至
びんリユース推進全国協議会 代表、東京大学 名誉教授 代表

(3)事例紹介
1. リターナブル容器を活用した循環型ショッピングプラットフォームでつくる未来の可能性
エリック・カワバタ 氏
TerraCycle Japan合同会社アジア太平洋統括責任者/日本代表、Loop Japan合同会社アジア太平洋統括責任者

2. Eコマースと自治体回収を融合させた新たなびんリユースモデル
吉永 茂樹
日本ガラスびん協会 専務理事、びんリユース推進全国協議会 運営委員

3. リユースびんの脱炭素化と地域社会での新たなびんリユースシステムの可能性
吉川 康彦
びんリユース推進全国協議会 副代表、株式会社吉川商店 代表取締役

(4) パネルディスカッション
<テーマ>びんリユースでつくる未来の可能性

○ファシリテーター
田中 希幸
びんリユース推進全国協議会 副代表、ガラスびん3R促進協議会 理事・事務局長

○パネリスト
  • エリック・カワバタ 氏
    TerraCycle Japan合同会社アジア太平洋統括責任者/日本代表、Loop Japan合同会社アジア太平洋統括責任者

  • 吉永 茂樹
    日本ガラスびん協会 専務理事、びんリユース推進全国協議会 運営委員

  • 吉川 康彦
    びんリユース推進全国協議会 副代表、株式会社吉川商店 代表取締役

  • 古澤 康夫 氏
    東京都環境局資源循環推進部専門課長

  • 山崎 和彦 氏
    富士ボトリング株式会社 代表取締役

  • 鬼沢 良子 氏
    NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネット 理事長

  • 笠井 聡志 氏
    株式会社京福商店 代表取締役社長

  • (5) 講評
    安井  至
    びんリユース推進全国協議会 代表

    (6) 閉会挨拶
    今井 明彦 氏
    全国びん商連合会会長


    (1) 開会・主催挨拶

    吉川 康彦
    (びんリユース推進全国協議会 副代表)


    • 会場およびオンラインの参加者が100名を超え、たくさんの皆さんに参加いただき感謝申し上げる。
    • 当協議会の活動は、ガラスびんに携わる方々のネットワークづくりをメインに、学校の教師向けリユースびんのガイド作成、リユースびん回収拠点マップの作成。
      また、年に一度リユースびんに関わるシンポジウムを開催し、現在までに仙台、福島、名古屋、大分、京都で行ってきたが、昨年はコロナ禍で開催を中止した。
    • 昨今、脱炭素の動き、SDGsの広がりとともにリユースびんに期待する声を聞くようになったこともあり、本日の講演、事例紹介、パネルディスカッションを大変楽しみにしている。


    (2)基調講演

    カーボンニュートラル社会への展望とびんリユースの可能性(仮題)

    安井 至
    びんリユース推進全国協議会 代表、東京大学 名誉教授


    • 人類が行う持続可能性について、さまざまな問題がある。材料、資源などに対して人類は、使えば使うほど、どんどん原子状態に戻して最終的に使用できなくしている。材料のリサイクル、リユースを研究し、適切な方法で利用すれば無限に近い期間利用できると思っている。
    • リユースびん使用の有無によるコストは、ほぼ変わらないと思うので、リユースを前提とした商品設計が必要で、そのことにより資源の延命が可能になる。
    • 気候変動は地球における最重要課題である。気候変動が取り返しのつかないことになった時点では、その時のいかなる技術をもってしても解決することは不可能だと考える。そのため、気候変動が取り返しのつかないことになる前に、今できるリユースを行う。
      リサイクルを進める風潮があるが100%同じ物質に戻すことは難しい。リサイクルを繰り返すことにより、リサイクルされた原料自体が劣化し最終的には使用不可能になる。
    • 2021年の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、各国の固有の利害を超えて充分な議論と合意はできていない。気候変動については利害を超えて考える必要がある。
    • CO2排出実質ゼロを目指している2050年は、このままでは最悪なシナリオが予想される。CO2排出量がさらに増加すると、気候変動が起こるため台風などの低気圧が強力になり甚大な災害をもたらすことが考えられる。また、気候変動をもたらした化石燃料はCO2排出量を抑えるため、非常用備蓄を除いて使用不可になっていると思う。 そのため、エネルギーは自然エネルギーおよび原子力で発電した電力のみ。熱供給があった場合、産業排熱の利用となりお風呂などのお湯は、地域熱供給と太陽熱温水器を併用。ほぼすべての家に太陽電池・大型蓄電池が設置。 自動車は多くが電気自動車になり、共用のものが増え、個人で所有することが少なくなっている。 また、リサイクルやCO2排出をゼロにするための新技術が必要になり、リサイクル、リユースができなくCO2排出がされるなどの旧技術は、社会から弾かれ消滅していると思う。
    • 「持続可能なプラスチック」とは何か。
      ・化石資源を原料としない:バイオプラスチック
      ・使い捨てをしない:回収および洗浄されて再使用できる高度リサイクルが可能なプラスチック
      ・焼却はしない
      ・焼却をしても温室効果ガスが実質上出ないプラスチック=バイオプラスチック
    • 持続可能なプラスチック実現の障壁の一つは、化石資源の原料。バイオマス資源を原料として、化学的・生物学的に合成するバイオプラスチックの利用が必要。 二つ目は、使用済みプラスチック製品が河川などに廃棄され海に到達しないための購入者のモラル。教育による解決が唯一の方法だが難しいため、プラスチック製品に高いデポジットを課すことが最終手段になると思う。
    • 元素イノベーションが必要。すべての元素について、消費量、埋蔵量を統計的に出し、それぞれの元素および材料についてどの程度リサイクルを実施すべきかを考える必要がある。 電気自動車に使われる電池に必要なコバルトなどがもっとも枯渇する可能性が高い。そのためコバルトなどの希少元素を有効に利用するため100%リサイクルできる方法を事前に考え準備しておく必要がある。
    • ガラスびんはリユースができる最良の容器である。固い材質で、表面に多少のキズがついても使用可能であり、元素枯渇リスクへの影響はほとんどゼロである。リユースすることは、未来をつくるための一つの手段であると思う。 ガラスびんリユースの将来には、キズが全く発生しない輸送方法の開発することが不可欠。
    • びんリユース協議会の真の役割は、ガラスびんはリユースをしない限り、環境負荷の大幅な減少には繋がらないことを協議会関係者が再確認し、それをありとあらゆるケースについて協議会関係者全員で議論を進めること。

    (3)事例発表

    1. リターナブル容器を活用した
      循環型ショッピングプラットフォームでつくる未来の可能性

    エリック・カワバタ 氏
    TerraCycle Japan合同会社アジア太平洋統括責任者/日本代表、Loop Japan合同会社アジア太平洋統括責任者


    • 1950年代米国では使い捨てのもの売上が上昇し、当時は将来どうなるかを考慮していなかった。 世界で廃棄されたプラスチックは、1950年 180万トン、2020年 3億トンとなったが、世界の人口が増えたため増加したのではなく、1人当たりの廃棄量が増加。
      日本はインフラが確立されているので、ごみ問題は関係ないと思っている人がいると聴くことがあるが、OECD(経済協力開発機構)の中で1人当たりに換算した廃棄されるプラスチック量の上位第2位は日本。
    • リサイクルの課題は、商品設計の段階で使い捨てが前提となっている。循環型社会、循環型経済をつくるのであれば、製造段階からリデザインしなければいけないと思っている。
    • Loopについては、使い捨ての便利さをリユースでも同様に実現していくことが、ユーザーを拡大していくカギだと思っている。リユースにもっと手軽に参加できるようになったら、リユースできる商品も増えるのではないかと思った。
      1か国でリユースのインフラやガイドラインをつくるのは大変なので、Loopではグローバルのシステムづくりをしている。そして、Loop1社では難しいので、FedEX社、UPS社などさまざまなパートナー企業と協力している。日本ではトベ商事と協力している。
    • Loopの活動方法は、Loop1社で決めるのではなく、行政やNPO、世界経済フォーラムなどさまざまなステークホルダーの意見を聴いている。現在、カナダ、米国、フランス、英国、日本で事業を展開。
    • Loop容器の3つの基準
      1. 耐久性
       容器は、最低でも10周以上使用(1周=製造、販売、使用、再利用)できなければならない)
      2. 洗浄性
       容器は、その特定の製品カテゴリに必要な基準を損なわずに洗浄)
      3. LCA(ライフサイクルアセスメント)
       
    • Loopの耐久性がある容器は、容器の製造コストは高いが使用回数を増やすことで、減価償却により1回当たりのコストは低く抑えることができる。
    • ワンウェイのガラスびんは多く流通しているが、テストしたところ再利用できるものがたくさんあったので利用を考えた。 日本で販売されているケチャップもその一例。また、グローバルで展開しているスキンケア商品もワンウェイだったガラスびんの容器をリユースし、キャップのみ取り替えている商品もある。
    • 新たにデザインするカスタムの容器は、コストを抑えて再利用すれば、デザイン・素材に費用をかけることができ、消費者にとっても魅力的な容器となる。
    • 現在Loopでは、小売店などで販売されているB to C商品が中心で、商品代金+容器代金の合計金額で販売。消費者は使用済み容器を販売店舗の返却ボックスに返却してもらい、後日アプリを通じて容器代金を返金するデポジットシステム。 現在、通販でも実証実験を行っており、使用後の容器は再注文のお届け時に返却してもらう。
    • 東京都の支援もあり、2019年のエコプロ展での発表後反響があった。
      イオンとの協力を進め、昨年2021年に東京を中心に19店舗でLoop商品の販売を開始。2022年2月には58店舗に拡大。今後イオンでは100店舗を目指している。
      まだ販売商品は少なく日用品が主なので、今後は食料品を増やすことを考えている。
    • Loopを拡大するためには、コストが大きな課題。スケールアップしないとコストダウンできないので、日本でも小売のみではなくファストフードなどの企業にも参加をお願いしている。
    • オフィスビルでは、テイクアウト弁当や惣菜の容器は使い捨てが多く、深刻なごみ問題となっていることもあり、2020年に東京都と連携して三菱地所株式会社と森ビル株式会社に参画してもらい、テイクアウト弁当や惣菜の容器にリユース容器を使って販売する実証実験を行った。
    • スケールアップのために、1人ひとりリユース容器の使用を促すのは大変なので、大規模なオフィスビルやホテルでリユース容器の商品を使用してもらうことで、たとえ1か所のオフィスビルやホテルで使用したとしても人数が多いため、大幅にスケールアップすることができる。
      2021年11月から東京都と連携して、ホテル・レストラン・オフィスビルなどで使われるヘアケア用品・食品・洗剤などの業務用商品を使い捨て容器ではなく、リユース容器で循環させる業務用商品販売プラットフォーム「Loop Professional」の実装調査をしている。

    2. Eコマースと自治体回収を融合させた新たなびんリユースモデル

    吉永 茂樹
    日本ガラスびん協会 専務理事、びんリユース推進全国協議会 運営委員


    • ガラスびんのリユースについて、日本ガラスびん協会として模索を続けてきたが、近年、社会的にSDGs、海洋プラスチック問題など環境について取り上げられることが多くなり、世間の流れにびんのリユースの活動がマッチングするようになってきた。
    • リターナブルびんのシステムは、100年以上の歴史を持つ日本独自の仕組みであることから、改めて評価し、新たな取り組みとして構築し、消費者が日常生活で環境課題と向き合いことが多くなり、考え、行動するキッカケとなる取り組みを目指す。
    • 今のタイミングだからこそ、リターナブルびんの価値を改めて社会に問い掛け、単年度ではなく継続的な活動が可能な実証実験プロジェクトとして、社会との対話を通し、共創しながらリターナブルびんの価値を再定義する「So Blue Action」と名付けた活動を開始する。
    • 「So Blue Action」は青い空、青い海、葵い植物、碧い森。「あお」色は自然の美しい色合いとガラスびんを連想させるところを起源に命名。
      今回の活動を通じ「容器を選ぶ」「仕組みを活用する」ということを、実証実験として行うことで、新たな選択基準になることを期待し世の中に問いかける。
    • 本プロジェクトは、日本ガラスびん協会、ガラスびん3R促進協議会、全国びん商連合会(東京壜容器協同組合)、びんリユース推進全国協議会、富士ボトリング株式会社の5者が初動チームとして今後の基盤を構築。将来的には協力企業、団体を集め、商材も増やす。最終的にはクラウドファンディングなどの方法も取り入れ、点から面に繋がる継続的な活動に発展させる。
    • 実証実験の目的は、リターナブルびん入りミネラルウォーター(足柄聖河)」のブランド価値創造を行うことであり、初年度の活動は、実証実験のアプローチとして「足柄聖河」を製造する富士ボトリング株式会社が所在する神奈川県大井町への支援を依頼、そして回収も含めたEコマースを構築。
      初動チーム5者、大井町、Eコマースを融合させることで、さまざまな社会課題、商品の価値、ストーリーを作成し、消費者の理解を得て「足柄聖河」を購入してもらう。
    • 大井町には、日本ガラスびん協会、ガラスびん3R促進協議会、東京壜容器協同組合、びんリユース推進全国協議会の4団体連名による要請書を提出、協力を依頼。
      要請書では、ブランド価値向上のため、大井町が応援している飲料であることのお願いとあわせて、今後、日本ガラスびん協会、ガラスびん3R促進協議会では、大井町のほか周辺の市町村に対してガラスびんへの理解を深めるセミナーやワークショップの開催、ガラスびんの基礎知識など自治体が理解を深めるためのツールの作成を提案する予定である。
    • 「足柄聖河」の水源は箱根山丹沢山麓に囲まれた聖なる河として守られてきた名水であり、このおいしい水を東京23区の人に飲んでもらいたい。
      現在販売されているミネラルウォーターは、ペットボトルに入った商品が多数を占めているため、ガラスびんの商品はめずらしく付加価値になると思う。
      そして、リターナブルボトルということで、神奈川県大井町は東京23区の中心から約80km圏内にあり、GHG排出量削減の観点からも有用性がある。
    • 飲料水には、ウォーターサーバー、浄水器、容器入りミネラルウォーターなどさまざまな選択肢がある。その中からリターナブルボトルの「足柄聖河」をいかに選択してもらうか、そして世間では、水道水に抵抗があり、安全でおいしい水を飲むために宅配を利用するというニーズがあるので、いかにそのニーズへアプローチしていくかが課題である。
    • 現在、足柄聖河のブランドWebサイトを再構築しているが、2022年4月15日にブランドサイト公開、プレスリリースをめざして進行している。ブランドサイトの「すみわたる大地から、しみわたる水」「水のめぐみが、大切なめぐるしくみ」をイメージし、大井町が応援している雰囲気を出すため、水に縁のある酒蔵の蔵元、蕎麦店の店主、大井町の町民そして町長など大井町の人々を登場させる。
      当サイトでの販売商品は「足柄聖河」だけではなく、大井町のコーヒー店のコーヒー、ドライフルーツなどご当地商品とコラボした詰め合わせセットの販売も検討している。

    3. リユースびんの脱炭素化と地域社会での新たなびんリユースシステムの可能性

    吉川 康彦
    びんリユース推進全国協議会 副代表、株式会社吉川商店 代表取締役


      1部 リユースびんに関わる脱炭素化

    • 京都で洗びん工場を経営しており、びんのリユースとは「びんを洗う」ことなので、脱炭素化は他の素材に比べると実現しやすいと考える。2019年に全国びん商連合会が公表した「びんリユースの維持発展のための宣言」の中に「洗びんのシステムにおける脱炭素化」を盛り込んだため、当社としても工場の電気、都市ガスをエネルギー源としている設備の変更を考え、3年程模索中。
    • 電力は、以前、京都大学の准教授など各関係者に、当社の洗びんのエネルギー使用料、洗びん本数などの資料を提供し、新びんをリサイクルした場合と、リユースした場合のCO2排出量を算出。その結果、排水処理などを含めて50%が洗びん関連であることが判明。昨今の考え方であるスコープ3(=資材の調達先までCO2の排出量、脱炭素化を求める)にあてはめると、この50%をどうにかしないといけないと思い、工場のエネルギー転換に投資し、2013年から太陽光発電を採用し、年間電気使用量の20%程度を賄っている。
      これを踏まえて、年間300万本の洗びんの使用電力を25万kwhと想定し、太陽光発電が工場で使用する電気をどこまで賄えるかを算出した。
    • 工場では、寿命が長い「CIS」タイプのパネルを採用。1〜2年後の発電量は5%〜10%減少したが、それ以降は緩やかに下降。自宅では、「シリコン(結晶)系」タイプを使用しており、最初の発電量は高いが寿命が短い。このため設置する太陽光発電タイプの選択も算出に大きく影響。
    • 太陽光発電なので天気など自然条件の影響は否めないが、工場では2,300枚程パネルを設置することで27万kwhを超え、想定の25万kwhの電力量確保ができる計算となり、年間消費電力以上の発電量が見込める結果に至った。
    • ガスは、当社では2トンボイラーを2台設置。都市ガスを使用し、蒸気によって洗びん機内を70〜80℃に加熱して洗びんを行っているが、ボイラー無しで洗びん実験を行った。
      ボイラーを全く使用しないで、通常50℃以上にする使用する苛性ソーダなどの薬剤を前日に予め溶解させ30℃くらいまで冷ました状態で、約30分で200本の1.8L壜を洗浄。
      結果、内面は薬剤の力で洗えているが、特殊な加工が施されているラベルは残っていた。
    • 太陽光発電・ガス未使用での検討の結果、ガスに代替できるエネルギーはなく、太陽光発電ではない、太陽光熱を利用した熱源が候補として考えられる。
    • 洗びん機については、現在使用しているのはジェット洗浄式で温めた洗浄液をジェット噴射で洗浄する方法で、以前使用していたのは浸漬式で温めた洗浄液に浸してブラシで洗浄する方法。そこで太陽光熱を利用する場合、新旧洗びん機の良さを利用できないかを考えた。
      1. 太陽光熱で温めた熱水層と常温の洗剤層を2つ設け、洗剤層での常温ジェット洗浄案
      2. 薬剤が入った洗浄液を太陽光熱で温めて洗浄する浸漬式案
      設備費の低い2の案が有力ではないかと思っている。
    • ただ、別の方法として、びんは「洗浄力(薬剤の力)・ブラシなどの物理的効果・温度殺菌・時間」を駆使すれば十分洗えるので、もしガスを使わず、温度が上げられない状況ならば、その分を洗浄力や物理的効果でカバーすれば、温度を下げても洗える可能性もある。現在主流の70℃で洗うという概念を覆せるかもしれない。 今後、太陽光熱利用も含め、洗びん方法を突き詰めていく。

    • 2部 リユースびんの活用事例について 京都の量り売り専門の店 斗々屋

    • 斗々屋では、ほとんどの商品は量り売りで、お客様が持ち帰る容器をレンタルし、返却・回収してリユースしている。 広口びんは食器洗浄機で手軽に洗えることから、使用する広口びん4種は返却・回収後、併設するレストランの食器洗浄機で洗浄し、洗びん会社に委託することなくリユースしている。
      (一部の牛乳びんなど口の細いびんは、吉川商店で洗びんを行っている。)
    • 斗々屋のビジネスノウハウはオープンにし、運営方法、商品仕入れなど有料のビジネス研修を開催して参加者に教えている。
    • 最近、京都・大阪を中心にリターナブルびんの利用希望の問い合わせが吉川商店に多くきている。現在、京都市内で2つ、大阪府内で3つ実現しており、構想中の企画は、京都で5つある。
    • 今後、社会の中でリターナブルびんの活用を考えたとき、特に委託充填に可能性があると感じている。 例えば、東京で販売するりんごジュースを、生産地の青森県でびん詰めして運送するのではなく、ジュースだけをタンクローリーなどで運び、東京近郊で委託充填を行う。そうすると、びんの回収が委託充填場所に近く、青森へ返却する必要がないため、限られた地域内でリユースできる。
    • この事例に関しては、現在、吉川商店が京都で実施中なので、もっと事例を増やしたいと考えている。

    (4) パネルディスカッション

    パネルディスカッション 各パネリストの紹介

    古澤 康夫 氏
    東京都環境局資源循環推進部専門課長


    • 東京都では2050年にCO2排出実質ゼロを目指している。そのため一つは、エネルギーの脱炭素化、二つ目は使用する素材、食品などの原料の脱炭素化であり、これを同時に行う必要がある。
    • 東京都ではプラスチック製品について、「カーボン・クローズド・サイクル」を提案している。すべてのプラスチック製品を無くすことは難しいだろうが、いかにCO2を大気上に排出しないように使用していくか。まずは、使い捨てのものを徹底的に減らしていくことを考えている。そしてその時、リユースできるものに切り替えることが重要である。
      使用するプラスチック製品についても、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルで再生する。
    • リユース、リペア、シェアリング、量り売りなどのリユースビジネスをメインストリーム化することで使い捨てを減らしていく。
    • 「サーキュラーエコノミー」を聞くことが多くなったが、1955年の雑誌広告で見るように、この時代は米国でもプラスチック製品は多くはなかったが、紙製、金属製の使い捨て製品の拡大が始まった。1960年代になり日本でも、使い捨て製品が多くなってきたように思う。
    • 世界では、気候変動、生物多様性が危機的な問題となり、脱炭素化が必要。
      東京都では脱炭素化のため、リユース、リペア、シェアリングなどが新たなビジネスとなるように構築し、モノのつくり方・売り方(買い方)・使い方を根本から変えることが重要だと考えている。
    • Loopをはじめとした、リユースのプログラムについては、東京都の「革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」で支援を行っている。

    山崎 和彦 氏
    富士ボトリング株式会社 代表取締役


    • 富士ボトリングの企業理念は「未来につづく社会貢献」。リターナブルびん入り飲料の製造を専門とした企業で、回収したリターナブルびんを自社で洗びんしている。
    • 会社は神奈川県大井町に所在し、創業から2022年で101年となり、一貫してリターナブルびんに関わってきた。リターナブルびんとともにP箱も使っている。P箱はごみを出さず、水での洗浄のみで50年以上の長期間使用でき、それに入って運ばれるリターナブルびんは環境に良い。
      この2つの組み合わせは環境にとっては最高の組み合わせである。
    • リターナブルびんは長く低迷していたが、環境問題が注目され始めた2020年頃から問い合わせが増加し、2021年に自社ブランド「足柄聖河」の販売を開始した。
      専用P箱も新しく製造ので、ごみを出さないで今後2070年くらいまでは使用できる。リターナブルびんを使用し、P箱を利用している「足柄聖河」は最高のエコ商品だと自負している。

    笠井 聡志 氏
    株式会社京福商店 代表取締役社長


    • 京福商店は、1951年東京都大田区にて創業。自治体の資源回収・処理、酒販店回収、大規模商業施設などの産業廃棄物扱いとなるガラスカレットの受け入れを行い、昨年2021年に70周年。
    • 京福商店の加盟している東京壜容器協同組合は、設立以前からあるびん商3組合が1963年に設立した東京地域のびん商の団体。
      酒販店などにリターナブルびんの集荷、卸売を行っており、設立当時は270社加盟していたが、酒販店とリターナブルびんの使用の減少などで2022年1月現在 88社である。
    • 現在、東京壜容器協同組合に加盟する企業はリサイクル事業組合にも参加。リターナブルびんの集荷、卸売以外に、東京23区の自治体の資源回収にも携わっている。
      自治体の資源回収にびん商が参画できたことで、家庭より排出されるリターナブルびんの集荷が可能になった。
    • 「東京システム21」とは東京壜容器協同組合の掲げているスローガンであり、酒販店回収と自治体回収の「両輪」で、質の良いリターナブルびんの回収を目指す取り組みである。
    • 自治体回収は、パッカー車による資源の混合回収ではなく、コンテナなどを用いたガラスびん単独での分別回収を維持するよう各区に働きかけてきたこともあり、現在23区すべてで、コンテナ排出および袋出しによる「ガラスびん単独分別回収」が行われている。
    • 回収されたガラスびんは、処理施設で最初に「リターナブルびん」を選別。その後、「白(透明)」「茶」「その他」の3色に分別して、カレットとして再利用している。
      びん商が関わっていることで結果的に、「リターナブルびん」「カレット」とも、高品質が維持できる。

    鬼沢 良子 氏
    NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネット 理事長


    • 当NPOは1996年発足し、廃棄物をテーマに社会の課題を連携協働で解決していくという活動を続けている。1995年容器包装リサイクル法の施行により、各地域でリサイクル活動が盛んになったため、さまざまな専門家や行政と連携協働することで、社会の課題をより早く解決していきたいという思いからのネットワーク型の団体。
      市民も廃棄物について、もっと学び合っていこうという考えで活動を続けている。
    • 2001年から12年間、各地の環境活動を行っている方を応援する「市民がつくる環境のまち”元気大賞”」事業を実施。表彰の翌年には受賞地域を訪ね、地域の方と交流しながら学び合うということを行った。
    • 12年間の受賞事例をカテゴリー別に分け、地域の方々が協働で行える活動事例の英文冊子を作成。今後ごみ問題が大きな問題になると思われる、アジア地域での活用を望んでいる。
    • 地域で熱心に活動している方々でも最新の情報を知り得ることが少ないと感じており、新しい情報をしっかり知ってそれを伝えていく人になって欲しいという思いから、最近の活動は人材育成事業に注力している。
    • 2013〜2014年に各種リサイクル法が一斉に見直しされた際、マルチステークホルダー会議を開催し、NPOとして課題を見据えて将来に向けて何を提案していくかについて議論。この会議は4年間開催。
      その会議でまとめた案などを、東京都をはじめ政府の審議会などで発言できる機会に発表し、NPOとしてさまざまな提案を行ってきた。
    • びんに関する視察を以前行ったが、ベルリン(2008年)、ストックホルム(2009年)の双方、P箱に入れたままリターナブルを回収するシステム。ストックホルムでは回収システムの裏側がスーパーのバックヤードと繋がり、P箱のままレールを流れてきたものを積み上げる仕組み。
      ベルリンでは、リターナブルびんを消費者が買い物の際に返却して、リユースするのを見て、回収拠点を多くすることで、消費者のリターナブルびん使用頻度に繋がっていくと感じた。
    • 2014年欧州を視察。ロンドンでは、スーパーにびんビール6本が入る持ち帰り用の紙製のカートンがあり、少量を手軽に持ち帰ることができるのはとても良いと感じた。
      また、ボンの量り売りの店ではガラス容器や紙製の袋を使用。スープのテイクアウトには広口のびんがリユースで使われていた。 昨今、日本でも京都の斗々屋のような事例を受け、リユース容器でモノが売られる時代がきたことを大変良いと感じている。

    テーマ: びんリユースでつくる未来の可能性


    パネルディスカッション

    ファシリテーター: 田中 希幸
    びんリユース推進全国協議会 副代表、ガラスびん3R促進協議会 理事・事務局長

    田中氏の進行よる質問に対して、各パネラーが以下の通り回答しました。


    ○ エリック・カワバタ 氏

    • どこでも購入、返却ができるようになるとリユース容器は広がると思う。ただし、スケールアップするまではコストが高い。企業にリユース容器のことを話した時、物流費用よって参加が考慮されるが、今現在だけを見るのではなく、将来のことを考えて検討してほしい。そうすれば参加企業が増え、スケールアップできる。
      リバースロジスティクスのことも検討する必要がある。特にホテルチェーンではリバースロジスティクスを取り入れるとコスト削減になると思う。
    • 消費者の負担をいかに改善したか。環境配慮、経済性、利便性はすべてつながっており、どうすれば効率よくできるかを考えると、小売は販売して終わりではなく返却、回収まで考えてもらうのが一番良いと思う。キーは小売である。
    • PET素材は溶かすたびにどんどん素材が劣化していく。ガラス素材はそういうことはないので、そのことを社会にも伝える必要がある。
      また、ペットボトルは環境コストが含まれていないので環境コストを加味して、環境コストが含まれいるリターナブルのガラスびんと比較すると、どちらが高くなるかを検討してほしい。
    • 消費者意識を変える必要がある。日本のさまざまな調査を見ると、80%程度の人がごみ問題は大きな問題として捉えているが、環境コストを払うとなった場合、支払う消費者はまだまだ少ないと思う。

    ○ 吉永 茂樹

    • 行政システムを融合させて、新たなリユースモデルを構築するきっかけは、ガラスびんに携わって10数年経つが、ガラスびんに関連する業種間の連携が希薄に思え、それぞれの業種が個別に努力しているように見えたこと。
      ただ、近年環境問題が取り上げられることが多くなり、ガラスびんに関連する業種間の連携をさらに強くすることを考えた時、日本ガラスびん協会として継続できる活動として何かできないかを考え、目的を共有することのできた富士ボトリング株式会社と取り組むことにした。そこに行政、消費者を融合させて、仕組みを構築することに試行錯誤した。
    • ガラスびんはすばらしい潜在能力があるにもかかわらず、経済合理性のみ追求される昨今ではなかなか利用される機会が少なくなっている。
      若者の環境意識は、学習していることもあり高いレベルだと思う。今後彼らが環境問題に対して実践を重ね、ガラスびんの潜在能力を知ってもらい一緒に活動していきたい。
    • 欧州では、カーボンニュートラルに向けたガラスびん製造の実証実験が日本より先行して行われ、バイオディーゼル、水素を活用してガラスびんの製造を試みている。今後日本でも、積極的に行なえるように考えたい。
    • ガラスびんは、リユースを含めた3Rすべてに適合する容器なので、その特性を活かせるように活動していきたい。 これから行う実証事業「So Blue Action」をGHGの実績など集計して、わかりやすい情報の提供を行っていきたい。

    ○ 吉川 康彦

    • リターナブルびんは基本的には酒販店で回収してほしい。びん商ではP箱がないと運べないので、メーカーから納品された時のP箱で返却するのが理想。
      京都市では生きびん回収事業を行っている。市で予算を組んでガラスびん問屋10社と契約し、スーパー、図書館、駐輪場などにお願いして置いている回収ボックスをガラスびん問屋が回収している。これを全国の自治体で行うことは難しいが、この事業を行うことで京都市だけでも年間8万本程度のリターナブルびんが回収できている。
    •   
    • 自治体のサービスが過剰だと思う。現状、自治体回収で行われる資源物の回収は税金で行われており、商品価格に反映されていない。リターナブルびんは他の容器と異なり、事業者が回収していることで回収費用、洗浄費用などが商品価格に含まれている。
      拡大生産者責任(EPR)が確立している国では、メーカーは回収・リサイクル段階まで責任を負うため、その費用を商品価格に含んでいる。そのため、メーカーはリユースできる容器を開発するなど環境に配慮することができる。でも日本のEPRはリサイクル段階だけのため、メーカーは回収などの費用は自治体に頼り、ワンウェイ容器を使用し続けることになる。
    • 戦後、清酒メーカーは4000社程度あったと聞いているが、今では1600、1700社になっている。酒税法における各種酒類の分類と定義はおおまかであり、それゆえにナショナルブランドが出現し、清酒の中小蔵の淘汰が進んだ。
      日本酒はもともと、地元で栽培されたお米を利用するなど、地元嗜好でだった考える。その基本に立ち返ることも必要。

    ○ 古澤 康夫 氏

    • 東京システム21は、重要な方式の一つである。Loopなどと合わせていろいろな方法でリユースを行っていきたい。 基調講演にあった地球の気候変動の影響で被害が増加するという最悪のシナリオに近づいていると思う。今あるシステムを変更するのではなく、将来をみたシステムづくりが必要になっている。
      モノの作り方・売り方(買い方)・使い方を変えると紹介の時に話したが、製造(ブランドオーナー)、小売(リテーラー)、消費者の行動をセットで変える必要があり、行政も参加して変革を行いたい。
    • 今後、自治体回収が最善なのかを考える必要がある。全体の効率を考えた時、リバースロジスティクスの優位性があると思う。動脈、静脈を分ける前に可能であれば動脈システムで戻すなど考える必要がある。
      さまざまなシステムを構築してもコストを考えると難しいことがあり、国とともにカーボンニュートラルも含め、経済的手法を議論していきたい。
      自治体回収、店頭回収それぞれ利点はあるので、上手に利用していくことが重要。使用後の回収は、ネット販売も含め販売先への返却方法の効率化の検討が必要。
    • 2050年までに脱炭層社会にしなければならず、それには、サーキュラーエコノミーは不可欠だと考える。今あるビジネスを転換しつつ、リユース、リペア、シェアリングのビジネスをメインストリーム化したいと思う。

    ○ 山崎 和彦 氏

    • 容器を比較すると、ペットボトルは軽量なのが利点で持ち運びが容易。災害のとき、びんより利便性がある。環境のことを考えるとリターナブルびんは必要なので、持ち運ばないで消費する料飲店、ホテルなどで使用してもらいたい。
      最近ペットボトルのボトルtoボトルのことを聞くが、ボトルtoボトルを行ったとしても原料にもどすので、容器そのものが残っておらず使い捨てに近いものだと思う。でも、リターナブルびんは洗浄するだけでそのまま利用できる。重要なのは、使い捨てか使い捨てしないかだと思う。このことが世界に普及すると、地球の延命にも繋がる。
    • カーボンプライシングが検討されている中、大手飲料メーカーがリターナブルびんの使用をやめたのは、タイミングが悪かったのではないかと思う。
      今までOEMで製品を製造し、2021年に初めて自社ブランド「足柄聖河」を販売したが、一番の問題は物流だった。現状、流通量が少ないため、宅配業者を利用しているためコスト負担が大きい。
      リターナブルびんを利用したいと相談に来る会社があり、まだまだ可能性があると思う。今後、リターナブルびんはペットボトルと棲み分けを行いながら少しずつ増加し、効率良く循環することを願う。そして、食品にも数多くリターナブルびんが使用され、廃棄される容器が少なくなっていくと考えている。
    • 次世代に住みやすい環境を残すため、時間はかかるが、環境に関する教育を行ってほしいと思う。富士ボトリングとしては「足柄聖河」の青いP箱を50年先の2070年まで守れるように考えたいと思う。

    ○ 鬼沢 良子 氏

    • 消費者から見たら、返却できる場所が身近にあればとても便利になる。ただ、便利だから利用するのではなく、社会システムとして取り組むことで、消費者は自然に消費行動が変化できる。 レジ袋有料化が良い例で、予想以上にレジ袋を断る人が増えたが、それは数円支払うからではなく、社会システムが確立できたからであり、システムを作っていくことが重要だと思う。
    • 今が消費者の意識の変え時だと思っている。消費者の商品選択時、おしゃれでデザイン性があることが一つの付加価値として捉え、返却という不便さがあってもまた購入したいと思えば、その不便さは考慮されなくなる。
      カワバタ氏のLoopがその一例である。今までごみと思われていた容器に代金があり、容器を返却すると戻ってくる。そして返却した容器は洗浄することで、また使用できることを知る。このように、楽しくおしゃれに誰でも参加できる仕組みにして伝えることが、重要になると思う。そうすれば消費者は「試してみよう」と思い、1回やって苦でなければ継続されていくと思う。
    • 若い世代は、子供の時学校給食の牛乳をびんで飲んでいた世代と違い、通常生活でリターナブルびんを利用する機会がほとんどなく、どういうものかもわからない人がいると思う。若い世代は今後の消費期間が長いので、ガラスびんの優位性を伝えることが大変重要。
      現在、国の「地域循環共生圏づくり」を全国各地域でも活動しており、地域で経済、人材、技術などさまざまなものを循環しようとしているが、タンクローリーでジュースを運送して、ガラスびんに充填して、回収できる範囲の地域で販売する話を聞いたが、それも当てはまると思う。
    • 消費者代表として出席しているが、消費者に情報が届くには時間がかかっている。そしてその情報を消費者それぞれが自分の良いように捉えて、正しく理解されていないと思う。
      地球環境の最悪のシナリオ、ガラスびんの優位性、消費者が取り組むことでごみ問題がどうなるかなど、正しく理解してもらう活動を行う。

    ○ 笠井 聡志 氏

    • 洗びんの時、油は大変負荷がかかるので問屋にも油びんを省いてもらうように依頼している。
      びん商の現場では、年々リターナブルびんが減少。一方で少しずつではあるが、最近家庭から排出されるリターナブルびんが増えていると感じるので、消費行動に変化が見られると思う。
      ただ、家庭から出るリターナブルびんを回収するシステムが追いついていないため、自治体回収になり、リユースされていないのが現状。東京23区はびん商が自治体回収を行っているのでリユースは可能。
    • 現在のところ東京システム21は、家庭から出されるリターナブルびんに関しては最善策であると思う。
      自治体回収の目的は公衆衛生だと思っており、都内23区では区によって、回収は集積所でのステーション回収や戸別収集になる。それぞれの方法で消費者は資源物を決められた場所に分別して出せば、リユース、リサイクルなどで行ってもらい、地球のためになっていると思っている。でも将来を見ると、このままのシステムではなく、消費者に負担がかかるが小売など販売した場所で回収する方法に意識を変えていくべきである。
    • 次の世代につながるように、自治体回収、酒販店回収を通じて情報発信を行っていきたいと思う。

    ○ まとめ

      田中 希幸

      消費者の意識と行動をさらに変えていくことが必要であり、使い捨てなど利便性の提供は相応の対価が必要なことを知ってもらいたい。

      廃棄物のみではなく、サーキュラーエコノミー、資源循環、地球環境保全などを考慮して、さまざまなステークホルダーがパートナーシップを築くことが必要だと考える。



    (5) 講評

    安井 至
    びんリユース推進全国協議会 代表

    「2050年」がキーワードである。そこまでには何かしらの活動をしなくてはいけない。
    過去レジ袋を有料化した時、有料化は続くとは思っていなかったが世間に受け入れら現在も継続している。

    ガラスびんは環境プレミアム性があり、プレミアムとは何かを常に社会に言い続けることが大切。


    (6)閉会挨拶

    今井 明彦 氏
    全国びん商連合会会長

    前日大変大きい地震があり、ニュースなどで店舗内の棚から落ちたびん入りの商品が散乱しているのをみて、びんのマイナスイメージがつくのを心配した。

    今回のシンポジウムに参加している方々は、リターナブルびんの重要性などガラスびんに対して共通の価値観、認識を持っている。 そして他の団他が開催するガラスびんに関するイベントなどに参加されている方々も共通の価値観、認識を持っているので改めてガラスびんの重要性を再認識する。

    ただ関係者だけで認識して自己満足で終わってしまうのではなく、いかにガラスびんの重要性を知らない消費者、メーカーにガラスびんの重要性を浸透させるのかが課題である リターナブルびんを使用しているビールメーカーの営業や日本酒酒造メーカーの中にもガラスびんに対しての知識が乏しい人が多い。

    昨今、SDGsや脱プラスチックなどが話題になる中、ガラスびんのリユースには追い風になっていると思うが、現実には、日本の大手飲料メーカーが容器をリターナブルびんからペットボトルへの変更、日本酒・焼酎が一升びんから紙製容器に変更、ビールびんの使用量が年々減少するなどしている状況。

    メーカーを動かすのは消費者なので、今回シンポジウムに参加されている方々は、ガラスびんの良さ、リターナブルびんの重要性を広く消費者に届くようにいろんな方面に広めてもらいたい。 特に追い風になっている昨今、若者にも環境問題の意識が広がっている今がチャンス。